親の年金額、把握していますか?FP3級の知識を家庭で活かした話

相続対策

親の年金額を、具体的に把握していますか。
「なんとなく大丈夫そう」
「年金はもらえているはず」

そう思っていても、実際の金額を数字で説明できる人は多くありません。


私は、FPの勉強を通して、老齢基礎年金・厚生年金などの仕組みや、年金制度を学びました。

この記事では、私と母との間でスタートした”年金”の話題において、
それらの知識がどのように役に立ったか、実体験を交えてお伝えします。


なぜ「親の年金額(=収入)」を知る必要があるのか

親の年金額を把握している子世代は多くない

日本銀行の調査では、50代の人でも62%が受け取れる公的年金の金額を知らないと報告されています。
(出典:日本銀行  金融リテラシー調査2019年)

年齢を重ねても、自分が将来いくら年金を受け取れるか把握していない人が一定数いる中で、
親の年金額まで正確に知っている子世代が少ないのは納得です。

自分の年金額を知る方法

将来の年金額は
「ねんきんネット」で簡単に確認できます。

ログインすると

  • 現在の加入記録
  • 将来の年金見込み額
  • 働き方を変えた場合の試算

などを確認できます。

私も、40歳を過ぎ、資産形成に取り組む過程で、
ようやく「ねんきんネット」を活用するようになりました。

「ねんきんネット」は色んなパターンを設定して数字のシミュレーションができるので、
自分の将来の暮らしが、より現実的なものとして、捉えられるようになります。

自分自身の数字を知ることが、
じゃあ親は今どうしているんだろう?など、
家族のお金を考える第一歩になります。

親の年金額を把握すると判断できること

親の主な収入源が年金である場合、以下を判断するためにも、金額の把握が必要です。

・生活費とのバランス(毎月の生活をどう支えるか)
・医療費や介護費の備え(貯蓄をどのくらい取り崩す必要があるか)
・支援が必要になる可能性(子どもが支援を検討すべきか)

数字を共有できたときの、親子の間には静かな「安心」が生まれます。


親とお金の話を始めるための、自然な入口

「自分のために学んでいる姿」を見せる

私が母に、FP3級の合格証書を見せたとき、
「なんで勉強したの?給料上がるの?」と尋ねられました。

―――「今の仕事には関係ないよ。自分が生きていくために勉強したの」
こう答えた私に感心した母、
「なら、私の年金通知を見てくれる? 全然わからないから」と続けました。
私という存在が、母にとって、「何も知らない娘」から「頼っていい人」に昇格できた瞬間でした。

今思うと、親のために話を切り出そうと構えていなかったからこそ、
導き出せた流れだなと感じます。

  • 「説得」や「正論」を避けた
  • 「自分が生きていくために必要だと思った」と、個人的な動機を語った
  • その結果、自然と「頼っていい人」になった

「一緒に見る」というスタンスを取る

とはいえ、私のお金の知識は、FP3級に合格した程度。
せっかくのインプットは、実生活でアウトプットして育てていく必要があります。

「私に何がアドバイスできるか分からないけど、興味があるから見せてほしい」
”教えてあげる”ではなく、”学びの機会が欲しい”というスタンスを意識していました。

もちろん母にとっても、完璧なアドバイスなんて必要ありません。

  • 用語が難しい書類は、一緒に見るだけで安心感が生まれる
  • 「損をしないかもしれない」という視点は、感謝されやすい
  • 分からなければ「一緒に調べればいい」

まずは、「資格を取ったから教えるね」ではなく、
「自分のために勉強したんだけど、これってお母さんにも関係ありそうだよ」
という等身大の言葉で、切り出してみてはいかがでしょうか。


少しでもいいから提示できることがないか探す

ほどなくして、母が、老齢基礎年金と厚生年金の源泉徴収票を
スマホで撮影して送ってくれました。
並んでいた文字は、専門用語と数字ばかり。
一人暮らしの年金受給者を不安にさせるには十分だと感じました。

母が言うには、
「他にも役所から住民税などの書類が届いていたけど、
なんとか生活できているし、見てもできることは無いから大掃除で捨ててしまった」
とのこと。
きっと、次回からは、取っておいてくれると思います。

母の年金は、公的年金と私的年金を合わせて250万円ほどでした。
私は拙い知識で源泉徴収票の文字を拾い、控除や税額を確認しました。

調べてわかったことは、もし確定申告をしたら、
源泉徴収されたお金が還付されるかも知れない!ということ。
小さな金額でしたが、私は逸る気持ちを抑え、母に報告しました。


その気がないときは、無理強いしない

母からは、「色々調べてくれてありがとう」という感謝の言葉とともに、
ちょっと拍子抜けしてしまうような、意外な反応が返ってきました。

「もしかして損していた?って、ちょっと焦ったりはしたんだけどね。」
「やっぱりよく分からないし、ほっといてもいいんじゃない?って思ってる」

正直、少し残念な気持ちもありました。
でも同時に、「自分で考えて選んでいるんだな」とも感じました。

きっと、金額の多寡よりも、
・「知らないままでいるリスク」に気づけたこと
わかったうえで、手続きはしない選択ができたこと
が、母にとっては「安心」につながったのだと、
私にもわかりました。


具体ステップ|親の年金を一緒に確認する流れ

  1. まず自分の「ねんきんネット」を確認する
  2. 親に「通知が届いたら一緒に見せて」とお願いする
  3. 金額だけでなく、控除や税額欄も確認する
  4. 分からない点は、その場で一緒に調べる

まだ勉強中でも、自信がなくても、気にしなくて大丈夫。
「一緒に見る時間」を持つことが大切です。


まとめ|給料は上がらなくても、人生に効果をもたらすFP資格

私の場合、FPを取得しても、本業の役に立つわけでも、昇給できるわけでもありませんでした。

合格した今も、その感覚は変わっておらず、
FPの知識は、自分や家族を守るための「人生の基礎科目」だと感じています。

切り出しにくいお金の話題も、
「一緒に数字を見てみよう」と寄り添うことで、
親と同じ目的を共有できるようになる。

お金の勉強には、それだけの価値があります。

もし今、お金のことでモヤモヤしているなら、
FP3級は「ちょうどいい入口」になります。

資格を活かして稼がなきゃ、と力む必要はありません。

  • まずは自分の給与明細を読む
  • 次に、家族の通知を一緒に眺めてみる

完璧なアドバイスができなくても、
ただ横に座って「一緒に考えられる人」になれるだけで、
家族の安心は、確実に増えていきます。

そしていつか、
「あのとき勇気を出して、お母さんに声をかけてよかったね」
と、未来の自分が思えるような選択をしていけたらいいなと思っています。


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