親の年金、いくらか聞けますか?私が自然に切り出せた方法

相続対策

ニュースや世間話ではよく耳にする「年金」。
あなたは、自分の親がどのぐらい受け取っているか、知っていますか?


FP3級には、老齢基礎年金・厚生年金などの科目があります。

この記事では、母と”年金”の話題がどのようにスタートしたか、
FPの資格がどのように役に立ったかをお伝えします。


親の年金額、知っていますか?

まずは自分のことから

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査では、50代で自分が受け取れる公的年金の金額を「知っている」人は4割に満たないと報告されています。
(出典:J-FLEC 金融リテラシー調査(2025年))

自分が年金をいくらもらえるのか、調べ方がわからない人も
けっこう多いみたいですね。

私も、資産形成を始めたのをきっかけに、
改めて「ねんきんネット」にログイン。将来の見込みを確認しました。

自分のことが少し見えてくると、ふと思いました。
──じゃあ、親はどうしているんだろう?
これが、親の年金に目を向けた最初のきっかけでした。

親の年金額がわかると見えること

自分の親が、年金を主な収入としている場合、
金額がわかると、こんなことを親と一緒に考えられるようになります。

① 生活はまわっている?

ざっくりいうと、「赤字になっていないか」ですね。
年金収入で、生活費・医療費・住居費が無理なく回っているか、気になりますよね。

私の場合、ずっと「収入も支出も知らない(聞けない)」状態だったのが、
今この記事を書いている時点では、ようやく、収入は把握(源泉徴収票を一緒に見た)したというところです。

支出はまだ手探りですが、収入が見えただけでも、心配が軽くなった実感があります。
これからも少しずつ、情報を増やしていくつもりです。

② 医療や介護が必要になったときの、判断材料になる

いざという時の医療費の自己負担、
介護サービスの負担割合、施設か在宅かの選択──

母は、数年前に骨折の手術・入院をしました。
それについては、引退まで加入していた民間医療保険でまかなうことができたそうですが、たまたまその権利を持っていたから助かっただけ。

公的制度は、収入(年金額)によって負担が変わる仕組みになっているものが多いです。
必要な時に、あわてず現実的な判断ができるよう、「何で備えられるのか」は知っておきたいですね。

③ 「子がどこまで関わるべきか」の物差しになる

これは、実は気になる方も多いと思います。
援助が必要なレベルなのか、見守っていていいのか。
親の収入を知らないと、心配しすぎなのか、過干渉なのか、自分でも分からなくなる

数字は、親との距離感に迷ったときの指標にもなってくれます。

④ 相続対策になる

親の収入を知ることは、「相続」よりずっと手前の準備。
つまり、「相続対策」ともいえます。

収入を知ることが、資産の把握につながります。
👉️「相続対策」のまとめはこちら


親とお金の話を始めるための、自然な入口

「自分のために学んでいる姿」を見せる

私が母に、FP3級の合格証書を見せたとき、
「なんで勉強したの?給料上がるの?」と尋ねられました。

―――「今の仕事には関係ないよ。自分が生きていくために勉強したの」
こう答えた私に感心した母、
「なら、私の年金通知を見てくれる? 全然わからないから」と続けました。
私という存在が、母にとって、「何も知らない娘」から「頼っていい人」に昇格できた瞬間でした。

今思うと、親のために話を切り出そうと構えていなかったからこそ、
導き出せた流れだなと感じます。

  • 「説得」や「正論」を避けた
  • 「自分が生きていくために必要だと思った」と、個人的な動機を語った
  • その結果、自然と「頼っていい人」になった

「一緒に見る」というスタンスを取る

とはいえ、私のお金の知識は、FP3級に合格した程度。
せっかくのインプットは、実生活でアウトプットして育てていく必要があります。

「私に何がアドバイスできるか分からないけど、興味があるから見せてほしい」
”教えてあげる”ではなく、”学びの機会が欲しい”というスタンスを意識していました。

もちろん母にとっても、完璧なアドバイスなんて必要ありません。

  • 用語が難しい書類は、一緒に見るだけで安心感が生まれる
  • 「損をしないかもしれない」という視点は、感謝されやすい
  • 分からなければ「一緒に調べればいい」

まずは、「資格を取ったから教えるね」ではなく、
「自分のために勉強したんだけど、これってお母さんにも関係ありそうだよ」
という等身大の言葉で、切り出してみてはいかがでしょうか。


少しでもいいから提示できることがないか探す

ほどなくして、母が、老齢基礎年金と厚生年金の源泉徴収票を
スマホで撮影して送ってくれました。
並んでいた文字は、専門用語と数字ばかり。
一人暮らしの年金受給者を不安にさせるには十分だと感じました。

母が言うには、
「他にも役所から住民税などの書類が届いていたけど、
なんとか生活できているし、見てもできることは無いから大掃除で捨ててしまった」
とのこと。
きっと、次回からは、取っておいてくれると思います。

母の年金は、公的年金と私的年金を合わせて250万円ほどでした。
私は拙い知識で源泉徴収票の文字を拾い、控除や税額を確認しました。

調べてわかったことは、もし確定申告をしたら、
源泉徴収されたお金が還付されるかも知れない!ということ。
小さな金額でしたが、私は逸る気持ちを抑え、母に報告しました。


その気がないときは、無理強いしない

母からは、「色々調べてくれてありがとう」という感謝の言葉とともに、
ちょっと拍子抜けしてしまうような、意外な反応が返ってきました。

「もしかして損していた?って、ちょっと焦ったりはしたんだけどね。」
「やっぱりよく分からないし、ほっといてもいいんじゃない?って思ってる」

正直、少し残念な気持ちもありました。
でも同時に、「自分で考えて選んでいるんだな」とも感じました。

きっと、金額の多寡よりも、
・「知らないままでいるリスク」に気づけたこと
わかったうえで、手続きはしない選択ができたこと
が、母にとっては「安心」につながったのだと、
私にもわかりました。


まとめ|数字を知ることは、安心を分け合うこと

親世代も、子世代と同じ…むしろそれよりもずっと、
お金について不安を抱えている人が多いです。

ただ横にいて「一緒に考えられる人」になれるだけで、安心に近づける。
FP3級の知識は、そのための心強い味方でした。

きっと、未来の私は、今の私にこう声をかけると思います。
「あのとき勇気を出して、お母さんと話してよかったね」と。


よくある質問

Q:親の年金額を知るにはどうすればいいですか?

一番手軽なのは、年金機構から届く「年金振込通知書」や「源泉徴収票」を一緒に確認することです。「届いたら見せて」と事前にお願いしておくと、自然な流れで話が始められます。自分自身の将来の受給額は「ねんきんネット」で確認できます。

Q:親とお金の話を切り出すタイミングはいつがいいですか?

「教えてあげる」より「一緒に見てみよう」というスタンスが受け入れられやすいです。私の場合、FP3級の合格を報告したことが自然なきっかけになりました。書類が届いたタイミングや、年末調整・確定申告の時期も話題にしやすいです。

Q:ねんきんネットでは何が確認できますか?

現在の年金加入記録・将来の受給見込み額・働き方を変えた場合のシミュレーションなどが確認できます。マイナンバーカードがあればすぐにログインでき、無料で利用できます。

Q:FP3級の知識がなくても親の年金書類を見てあげられますか?

十分できます。大切なのは「一緒に見る時間を持つこと」です。分からない言葉はその場でスマホで調べれば問題ありません。完璧なアドバイスより、横に座って一緒に考えてくれる存在であることが、親にとっての安心につながります。

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