親とお金の話、どう切り出す?70代の父が自分から動いてくれた話

相続対策

親とのお金の話、できていますか?

私の父と母は70代前半。私は40代で、子育て中の会社員です。
お互い、お金のことは「なんとなく」で済ませてきました。

でも、FP3級の勉強を始めてから、少しずつ変わってきたんです。
今では、老後のお金についても、わりとフランクに話せるようになっています。

この記事では、金融リテラシーを身につけたことで親子の会話がどう変わったか、私の実体験をお話しします。

この記事でわかること

  • 老後にかかるお金の一般的な目安
  • 金融リテラシーを身につけると、親との「お金の話」がしやすくなる
  • 親とお金の話をするとき、何を確認しておけばいいか
  • 親を変えようとするより、まず自分がアップデートし続けることが大切

70代の父と40代の私、金融リテラシーはどんぐりの背比べ

父は元気なうちに叶えたいことがあるらしく、会えばその話でもちきりです。

私も似たようなもので、「老後?まだ先のこと」と思って過ごしていました。
金融リテラシーは、いわばどんぐりの背比べ、という感じです。

人生のフェーズでお金に求めることは違う

父は残りの人生、お金を「守る」こと・「使う」ことが中心。
私はまだ資産形成まっさかりで、「増やす・守る・使う」をバランスよく考えないといけない。

お互い、人生のフェーズが違うのだから、求めていることが違う。
「老後のお金」の話だからとひとくくりにしないで、まずはその差を認識することが、親子の会話を始める出発点だと思います。

老後にかかるお金の目安

じゃあ、実際、老後にはどれぐらいのお金が必要なんでしょう。
一般的に「だいたいこうだよー」といわれている数字を3つ挙げます。

年金の平均受給額
日本年金機構の資料によると、会社員(厚生年金)の平均受給額は月およそ14〜15万円前後。国民年金のみの場合は、月およそ5〜6万円前後とされています(加入状況によって差があります)。

老後の生活費の目安
総務省の家計調査では、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月およそ25万円。年金だけでは少し足りないケースがあり、貯蓄や退職金でどう補うかが現実的な論点になります。

介護にかかる費用
生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる費用は月およそ8万円、期間はおよそ5年前後。介護保険の利用で自己負担が変わる部分でもあります。

FP3級の勉強が、父との関係を変えた

私の父は、教えることが好きなタイプです。
「自分が正解」と思い込んでしまうところがあって、我が家では、父がアドバイスを語る構図になることがよくあります。

そんな父ですが、私が「FP3級に合格したよ」と報告してから、一方的な否定や断定がやわらぎ、こんな質問をもらうようになりました。

「NISAって、どうなの?」
「年金、どのくらいもらえるかわかる?」

教えてもらう側だった私が、答える側になっていく。
この変化は、自分でも驚くくらいでした。

保険会社からの封筒も、対話のきっかけになった

ある日、聞き覚えのない保険会社から「代理人指名通知」が届きました。
被保険者は父でした。

思い切って聞いてみると、父の考えはこうでした。

もし何かあったときのことを考えると、生命保険に入っておけば家族に残せるから

よく耳にするとても自然な発想だし、ありがたいと感じました。
でも。

生命保険というのは、本来、自分が亡くなったときに、残された家族が経済的に困らないようにするためのものなのです。
今の父には、養う家族も、住宅ローンもありません。

だから私は、父にこう伝えました。

「残さなくていいよ」と。

父には、子どものためでも相続のためでもなく、
自分自身のために、いま持っているお金をどう使うか、考えてほしい。
そう思って伝えた言葉です。
(FP3級の知識が、私の背中を押してくれました)

父がExcelで作成した保険証券のまとめを見せてくれた

娘から、「残さなくていいよ」と言われた父。
おそらく、思ってもみなかった選択肢だったのでしょう。

動きがあったのは、その後、しばらく経ってからです。
父は、保管していたお金まわりの書類について、内容や、普段はどこに置いているかなど、説明をしてくれました。
それだけでなく、保険証券の内容をExcelに書き出し、いつでも引き継げるように、まとめていたのです。

私が勇気を出して発した言葉が、「話してもいいんだ」という空気をつくり、父の行動を促した。
驚いたし、嬉しかったです。

父が娘に伝えた本音

さらに数カ月が経ち、父がぽつりとこぼした言葉です。

元気なうちに上手に使えたらいいなとは思ってるんだけどね

何十年も仕事に励み、子育てもひと段落。
蓄えたお金を「どう使っていいかわからない」という迷いは、「これからどう生きたいか」につながるなと感じました。

父の背中を見ながら、”お金のことなんてあんまり関心がないはず”と、なかば決めつけていたことを、素直に反省しました。

FP3級の資格は、お金の管理に役立つだけじゃない

以前は一方的に否定されていたような話も、具体的な数字や制度の仕組みがわかるようになってから、建設的な会話に発展するようになっていきました。

知識があると、感情的にならずに話せる。
「なんとなく不安」「よくわからないから怖い」という霧が晴れて、「こういう仕組みだから、こう考えよう」と冷静に整理できるようになる。

知識が共通言語になってから、父との対話が続くようになったんです。

子どもから親へ、金融リテラシーを伝染させるという発想

父に知ってほしいこと、やってほしいことは、たくさんあります。

でも、生きてきた背景が違う。これから生きる時代も、考え方も違う。
それは変えられない事実です。

だから私がたどり着いたのは、「親を変えようとするより、まず自分がアップデートし続けること」でした。

親とお金の話をするとき、確認しておきたいこと

父と話しながら、「これは確認しておいてよかった」と思った項目を並べておきます。
ただ、親子でも、別々の人格を持った”他人”(少なくとも私はそう考えています)。

全部を細かく聞き出そうと焦ったり、言いたくなさそうなタイミングで無理にチャレンジしない。それがコツです(笑)

  • 年金:いくら受け取っているか(ねんきん定期便で確認できます)
  • 預貯金:どの銀行に口座があるか(金額まで聞かなくても大丈夫)
  • 保険:どんな保険に入っているか、証券はどこにあるか
  • 不動産:実家をどうしたいと思っているか
  • 借入:ローンが残っていないか
  • 医療・介護:どんな過ごし方を望んでいるか
  • 相続:誰に何を伝えているか

よくある質問

Q. 親にお金の話を切り出すのが怖いです。どうすればいいですか?

A. いきなり「老後のお金どうするの?」と切り出すと、相手も身構えてしまいます。
「FPの勉強してたら面白いことがわかってさ」と、自分の学びの話として話題を振るのが、うちでは一番うまくいきました。相手を問い詰めるのではなく、一緒に考えるスタンスがポイントです。

Q. 高齢の親に生命保険は必要ですか?

A. 一概には言えませんが、生命保険の目的は「残された家族の経済的なリスクをカバーすること」です。養う家族がいない・住宅ローンがない状況であれば、必要性は低い場合が多いと言われています。保険料と目的を整理して考えてみてください。FP3級の学習でも、保険の「目的の明確化」は基本として扱われます。

Q. 親が「お金のことは自分でやる」と拒否します。無理に関わらないほうがいいですか?

A. 無理に関わる必要はありません。ただ、「いざとなったとき自分が困らないために知っておく」という視点で、親の年金や資産の概要だけでも把握しておくといいと思います。これはFP3級の学習内容でも、よく扱われるテーマです。

Q. FP3級は親との会話に本当に役立ちますか?

A. 私の実感では、役立ちました。年金・相続・保険・税金など、親世代が直面する話題がFP3級の試験範囲にそのまま入っています。資格のためだけでなく、「親との話を理解するため」という動機でも、十分始める価値があると思います。

Q. 相続で揉めないためには、どうすればいいですか?

A. 正解を一気に決め切ることよりも、家族のなかに「話せる空気」を少しずつ育てていくことのほうが大事だと感じています。
「親がこう言っていた」というような小さな記憶の共有が、将来いちばんの手がかりになってくれる気がします。

まとめ

父が言っていた『元気なうちに上手に使えたらいいな』という言葉。
金融リテラシーは、自分の資産を守るためだけのものじゃない。
親子の関係を、少しだけ豊かにしてくれるものでもある、と私は思っています。

まず一歩、自分が動いてみる。
それが、親との「お金の話」をやわらかくしてくれる、一番の近道かもしれません。

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